石破氏が高市新政権に苦言──党内は「丁寧な無視」か

自民党内での主導権争いや政策路線の転換が鮮明になるなか、石破茂氏が高市早苗新政権に対して異例の苦言を呈しました。党内外から注目を集めるこの発言は、保守再編の動きとも連動し、自民党の今後の方向をきっかけとなるかと思われましたが、党内からは「丁寧な無視で十分」という声もあったようです。

1. 発言の背景と内容

石破氏は、国会でのインタビューの中で、「無批判に従うということではない」と述べ、

「そうではない政権がスタートしているが、正規ルールでできたのだから、党員として支えていかなきゃいかん。ただ、無批判に従うということではない。」という言葉を投げかけました。
ここで「そうではない政権」と指されたのは、高市氏が率いる新体制を指していると分析されています。

また、高市氏が党新総裁に選出された直後の挨拶では、「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」「馬車馬のように働いていただきます」と語ったことが報じられ、石破氏はこの発言に対して「長時間労働を助長しかねない」と苦言を呈しました。

2. なぜ苦言?石破氏の視点

  • 政策・路線の違い:石破氏はこれまで、自民党内で比較的中道・実務的な保守を志向してきたとされ、高市氏はより右派・保守強調の色合いが強いとされてきました。石破氏自身、「無批判に従うということではない」と述べることで、新体制に対して一定の距離を置きつつ、党員・国民への説明責任を意識させる意図があると考えられます。
  • 党内の統率・ガバナンス懸念:「ワーク・ライフ・バランスを捨てる」との発言からも分かるように、高市氏の発言が党内での働き方・組織運営をめぐって波紋を呼んでおり、石破氏はこの点を「もう少し謙虚であるべき」と暗に指摘しています。
  • 自民党の支持基盤・世論対応:世論調査では、「石破首相は辞める必要がない」という意見が50 %、「辞めるべきだ」という意見が42 %だったとの報道もあり、党内外で石破氏支持の声が根強いとの分析もあります。このことからも、石破氏の発言は「党が国民の信頼を保てるかどうか」という観点からの危機感・責任感に根ざしていると見られます。

3. 高市新政権への影響・党内反応

  • 高市氏が総裁選で勝利し、女性初の自民党総裁として注目を浴びています。
  • 石破氏の苦言を巡って、保守層や党員から賛否の声が上がっており、「何を言っても説得力が無い」「もっと謙虚に」という批判的な見方も伝えられています。
  • メディアの多くは石破氏を擁護する報道をしていますが、SNSの多くは石破氏が行ってきたことよりも高市新政権に期待することの方が大きく上回っています。実際に日本経済新聞社とテレビ東京が24〜26日に実施した世論調査では、高市内閣の支持率は74%と石破茂前内閣の発足時を20ポイント以上上回っています。
  • 石破氏は総理大臣になる前から安倍元総理や麻生元総理への批判をしていました。実際に総理大臣になり、「批判は簡単だが、実行は難しいことを実感されたのかと思いきや」という声が上がっている。

4. 今後の展望と論点

  • 保守政策の一貫性・実行力:石破氏が指摘するように、「無批判に従う」ことなく、政策の説明責任や国民への説明力が問われます。
  • 党内組織・運営の在り方:働き方や組織文化の刷新を唱える高市氏ですが、その実行が党内外でどれだけ受け入れられるかが鍵です。
  • 次期選挙・支持基盤の維持:自民党が将来の衆院・参院選で安定多数を維持するためには、分断ではなく結束が求められます。石破氏の苦言は、その結束を促すメッセージとも受け取れます。
  • 政界再編の可能性:高市氏が新たな保守路線を鮮明にする中で、旧来の保守主流派や石破派との軋轢が政界再編の引き金になるとも指摘されています。

5. まとめ

石破氏の苦言は、単なる個人の批判ではなく、自民党が直面する「路線の選択」「党内統合」「国民との信頼関係」という三つの課題を改めて浮き彫りにしました。

外交においては、日米首脳会談、日韓首脳会談、日中首脳会談と重要な各国との対話を実現しました。他にもASEANやAPECなど新政権から間もなくして驚異の外交日程を乗り越えました。アメリカのトランプ大統領からも安倍路線を継承することでかなりの好印象であったとSNSでは盛んに溢れかえっています。

高市新政権がどのようにこれらの課題に応えていくか、また党内での調整・統率力を如何に発揮するかが、今後の焦点となるでしょう。

引用文献

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