高市早苗内閣が発足直後から支持率70 ％前後という高水準を記録する一方で、与党である 自由民主党 や政権を共にする 日本維新の会、さらに野党勢力の政党支持率はいずれも明確な上昇とは言えない状況が続いています。例えば、自民党の政党支持率は30 ％台と低迷しています。
この現象を通じて、内閣支持＝政党支持に直結しない「ズレ」の要因を探ります。
現状整理：内閣支持率 vs 政党支持率
- 調査により、内閣支持率は 70 ％前後を記録。発足直後の調査では75.4 ％という数字も報じられています。
- 一方で、政党支持率では与党・自民党が発足時点で30.7 ％と過去最低水準を更新したという報道も。
- 野党側も同様に「支持を拡大している」「政党支持率が上がっている」という明確な数字は見えず、むしろ有権者の信頼回復・浸透という点で苦戦していると言えます。
この「内閣は好調、政党支持率は停滞」というギャップにこそ、複数の要因が浮かび上がります。
なぜ政党支持率が伸びないのか：主な要因
1. 内閣支持が“リーダー・ブランド”に集中している
内閣支持率が高い背景として、「高市首相という新鮮性」「若年層からの期待」「女性首相という象徴性」などが挙げられています。
ただし、これがそのまま自民党や維新、野党の支持増には繋がっていません。つまり、リーダー個人への評価と、政党／連立・支持組織への評価が必ずしも一体化していないのです。
2. 政策実感・生活実感とのギャップ
有権者が求めているのは「物価・暮らし」「賃金・雇用」「社会保障」といった直接的な生活実感です。
内閣が一定の支持を得ていても、政党として「あなたの生活をこのように改善する」というメッセージが浸透していなければ、政党支持率の底上げは難しいでしょう。
3. 野党の存在・代替政権のイメージが弱い
記事では、野党が「首相候補の統一」や「政権交代可能な受け皿づくり」に苦戦しているという分析もあります。
与党支持率が伸び悩む原因でもありますが、野党もまた支持を増やせない構図に陥っています。
4. 与党としての連立・党組織の鮮度／支持基盤の低迷
自民党と維新との新連立構想、党の体制刷新などが報じられていますが、有権者が「かつての与党／政党構造の延長」に見えてしまうと、政党支持の拡大には限界があります。
また、「政党支持＝支持層固定化」の構図も弱まり、若年層・無党派層をどう取り込むかが鍵です。
意義・今後の視点
- 内閣支持率のみで「政党・連立与党が支持を拡大している」と見るのは誤りであり、「政党支持率の停滞」は民主主義・政党政治の課題を映しています。
- 与党・野党ともに、「政策の言語化」「政党としての信頼回復」「有権者との距離縮小」が急務とされます。
- 特に政党支持率が低迷している状態では、次の選挙や政局において「組織力」「地域基盤」「投票動員力」で予想外の結果が起きやすくなります。
- また、有権者としても「内閣支持／政党支持」の背後にある構造（誰を支持しているか、何を期待しているか）を改めて考える期です。
参考文献・リンク
- 「高市内閣『支持』7割超の“意外な”支持層…立憲の野党“共闘”戦略は有権者に響かず」FNN調査報道（2025年10月27日） FNNプライムオンライン
- 「高市早苗首相はなぜ若年層の支持率が高いのか？」DIAMOND社『ダイヤモンド・オンライン』（2025年10月30日） ダイヤモンド・オンライン
- 「自民“高市人気”で支持率上昇も うつろう“かたまり”に見えた課題」毎日新聞（2025年11月10日） 毎日新聞
- 「高市政権発足で激変した政党支持率 自維は上昇、立国など下落」毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20251110/k00/00m/010/264000c
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