来日中の中国人への医療費3倍請求に提訴──医療機関の圧迫が原因か

Uncategorized

来日中の中国籍滞在者が、無保険状態で日本の病院を受診した際、同種の治療を受けた日本人患者に比して 3倍もの医療費請求 を受けたとして、病院側を相手に訴訟を起こしました。国籍・滞在資格・保険加入の有無が交錯するこの事案は、医療機関の価格設定の透明性や、訪日外国人の医療利用・支払い制度の課題を映し出しています。

訴状によると、女性は短期滞在中に体調を崩し救急搬送された。
脳腫瘍と診断され入院・治療を受けたが、日本人の無保険患者なら約225万円と見込まれる費用に対し、約675万円が請求されたという。
原告側は「国籍を理由に3倍の請求を行うのは明らかに不合理」として差額分の支払い免除を求めている。

病院側「差別ではなく、無保険リスク・通訳コストを考慮」

病院側は「保険未加入の外国人に対する医療費は自由診療扱いであり、国籍による区別ではない」と主張。
「通訳対応や書類翻訳、説明時間の延長、そして未払いリスクなどを考慮した料金設定」としている。

厚生労働省は、訪日外国人の医療費未払いが全国で年間15億円以上発生していると公表しており、医療機関の側にも経済的リスクが存在する。
このため、外国人患者に対しては、通常の診療報酬点数の2〜3倍を設定する医療機関もあるという。

背景に「自由診療」の制度と未整備な外国人医療制度

日本の公的医療保険制度では、原則として居住者が対象であり、観光など短期滞在の外国人は保険適用外
そのため「自由診療」として病院ごとに価格設定が可能となっている。
一方で、同じ無保険状態でも日本人と外国人で大きな価格差があることは、「制度の平等性」を問う問題として注目されている。

医療社会学者の高橋雅之教授(日本医科大学)は次のように指摘する。

「制度の枠外にある外国人患者をどのように扱うか、日本の医療体制はまだ成熟していない。
今回の訴訟は、医療の公平性と経営の現実の両立を考える契機になるだろう。」

訪日外国人医療の課題

観光庁のデータによると、2024年には訪日外国人が過去最高の3,500万人を超えた。
しかし、旅行保険加入率は依然として50%未満にとどまっている。
言語の壁や支払い保証の不足が、医療機関の負担を増やしているのが現状だ。
今後、政府がどのように制度的な整備を進めるかが焦点となる。

まとめ

今回の訴訟は、「外国人だから高くなる」医療費が差別なのか、それとも制度的な必然なのかという根源的な問いを投げかけている。
日本の医療現場が国際化するなかで、国籍・滞在資格・保険制度の間に生じる“すき間”をどう埋めるのか――その答えが求められている。

参考文献

コメント

タイトルとURLをコピーしました